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Visual Studio で TeX を編集する話

この記事は Visual Studio Advent Calendar 2014 の 15日目の記事です。

 


2016/01/27 Update:

プロジェクトファイルとして作成できるようにしっかりと作り直してみました。
もしよろしければ、下記の記事をどうぞ。

TeX Support for Visual Studio を作ってみた。


 

皆さんこの時期ですと、やっぱり卒論・修論と大変忙しいかと思います。

さて、皆さんは何のエディタで編集していますでしょうか。
Vim? Emacs?

いえいえ、やっぱり Visual Studio でしょう?

 

ってことで作ってみました。

 

 

・・本当は長々と書く予定だったのですが
やっぱり12月でして、私自身も忙しく書く暇が取れませんでしたので、
以前 CSS 3.0 にて発表した資料を公開します。

・・実際、長々と書く予定だった物がほぼ入ってます。


カスタムビルドステップのコマンドについて:

 

F5 でのビルドに関しては、資料中にもあるようにカスタムビルドステップを使用します。

cd "$(SolutionDir)\\$(SolutionName)"
copy /y $(TargetName).tex $(Configuration)
cd $(Configuration)
platex $(TargetName) -halt-on-error
bibtex $(TargetName) -halt-on-error
platex $(TargetName) -halt-on-error
dvipdfmx $(TargetName)
copy /y $(TargetName).pdf "$(OutputPath)\\$(TargetFileName)"

 

.tex ファイルのカスタムビルドステップとして、

こんな感じのコマンドを指定しておくと、F5 キーを押したときに勝手に pdf 化までしてくれます。

もちろん、ビルド中にエラーがあれば止まります。

 

資料中に png の画像を埋め込んでいる場合は、

cd "$(SolutionDir)\\$(SolutionName)"
copy /y "%(FullPath)" $(Configuration)\%(Filename).png
cd $(Configuration)
extractbb %(Filename).png

こんな感じのコマンドを、ビルドコマンドとして指定します。

 


TeX ファイルの色づけについて

 

色づけについてはプラグインを入れる必要がありますので、

以前私が適当に書いた物を公開します。

https://mimumimu.net/mimura1133/TEX_CLASSIFIER.vsix

これを Visual Studio にインストールすれば、TeX ファイルが色づけされます。

 

注意:

vsix ファイルの中身は zip ファイルなので、

一部のブラウザでは zip ファイルとしてダウンロードされるかと思います。

その場合は拡張子を .zip から .vsix に変更してください。

 

・・ただ、このプログラムは重大なバグを持っていまして

こいつが有効だと、すべてのファイルに対して色づけを試行しようとします。

・・・ファイル拡張子でフィルタすればいいだけなのですが

実は以前作ったとき、一時的に使う予定だったので RAMディスク上で作りまして

ソースコードが全くなくて。

・・・作り直す暇も無かったので現状のまま・・ということで。今度ちゃんと作り直します・・。

 

・・・・もしよろしければどうぞ-。

Windows 7, 8 での3本スワイプによるデスクトップ切り替えの発表資料 / バイナリを公開しました。

どうもみむらです。

もう12月ですか・・。月日の過ぎるのは本当に早いですね。
私もいろいろなことがありすぎて、もう12月かと。そんな感じです。

いろいろと、今年は本当に反省に次ぐ反省の年だったように思います。
残った一ヶ月で、可能な限りリカバリーをしていきたいです。


2016/02/20 Update:

本記事の内容は Windows 10 環境では正常に動作いたしません。

Windows 10 環境をお使いの場合は、
Windows 10 で 3本指ジェスチャで仮想デスクトップを制御出来るようにしてみた。 – みむらの手記手帳
より、Windows 10 版をご利用ください。


 

さて、表題の件ですが、
これは各所の勉強会で2回ほど使ったネタで、
Mac の「3本指でタッチパッドをスワイプすると仮想デスクトップが切り替わる」
Mission Control のあれを Windows で実装してみた、という話です。

 

またこれは Windows 7 や 8 で動作するもので、Windows 10 のそれとはまた別ものです。

 

概要については次のスライドをご参照ください。

— 余談 —

同じネタを福岡と東京でやったのですが、
東京はかなり受けたのですが福岡の反応はイマイチでした・・。

んー。福岡受けするにはどうすれば良かったんだろう・・

— 余談ここまで —

 

 

また実際の動く雰囲気としてはこのような感じとなります

ディスプレイに対して直接描画命令を送って、スワイプしてる雰囲気を出したいなぁ・・(苦笑

 

実際の仕掛けとしては、CreateDesktop と SwitchDesktop を使って
ジェスチャを認識したらデスクトップを切り替えている流れになります。

 

CreateDesktop
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/windows/desktop/ms682124(v=vs.85).aspx

SwitchDesktop
http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/windows/desktop/ms686347(v=vs.85).aspx

 

またジェスチャの認識には、
Synaptics 社の開発キットを用いて、タッチパッドの入力を直接取得した上で、
指の本数とその移動距離を取得して判定しています。

直接取得していますので、
Windows のウィンドウフォーカスの問題や、
Windows API レベルでのマウス操作の制約を受けません。

具体的には、仮想マシンをフル画面で表示して、
当然マウスは仮想マシンにキャプチャされている状況においても動作します。

 

その一方で機種依存がありまして
”Synaptics 社製タッチパッド搭載機” と “3本指を認識できるタッチパッド” が必要になります。

 

見分け方としましては、マウスの設定画面から “Synaptics” のデバイス設定に入り、

image

こんな感じで「3本指で・・」という項目があるコンピュータであれば利用可能です。

ただ、古い機種において、ドライバのバージョンの関係から、3本指ジェスチャを認識できるのにもかかわらず「3本指で・・」という項目がない機種も存在しますので、
使用するためにはこの項目があるマシンが必須というわけではありません。

 

また、使用の際はもちろん、この3本指ジェスチャのオプションは OFF でお願いします。
(ON のまま使用されますと、両方のジェスチャが実行され、いろいろと意図しない動作が発生する恐れがあります。)

 


限りなくベータ(もしかするとアルファかもしれない)版ですが、
バイナリデータを公開します。

ソースコードに関しましては、思いつきで書いた関係で私自身にも難読な状態になっていますので
リファクタリングを実行した上で公開致します。

 

検証環境:
マシン:Sony VAIO Pro 13, Sony VAIO Z VPCZ21AJ
OS:Windows 7 x64, Windows 8.1 x64
アプリケーション: VMware Workstation 10

ダウンロードリンク:
http://mimumimu.net/beta/programs/synaptics_switchdesktop.zip

注意事項:
・Windows 10 の仮想デスクトップ機能とは互換性がありません。
(これについてはまた別途、Windows 10 対応版を出したいと思っています。)
・Windows 8.1 において、切り替え先のデスクトップにてストアアプリおよびそれに付随する機能が使用できません。
・IE 11 やその他一部のソフトウェアにおいて、切り替え先のデスクトップで正常に動作しないソフトウェアが存在します。ご了承ください。

 

要望等ありましたら、可能な範囲で対応します・・
https://mimumimu.net/community/
https://mimumimu.net/bbs/

windbg と gdb に関係した基本操作メモ。

毎回調べている気がするのでメモ。
(たぶんころころ書き加えていきます

 

作業内容 windbg gdb
実行 g r
ブレークポイント bp b
ブレークポイント
一覧
bl i b
(info breakpoint)
ブレークポイント
削除
bc d
ステップ実行
(Step over)
p n
ステップ実行
(Step Into)
t s
メモリ内容表示 d
d(a,b,c,d…)
d
x/(o,x,u,t,8xb..)
変数内容表示 dv (変数名) print (変数名)

p *0x000  みたいなのも可

レジスタの値 (レジスタウィンドウを見る)

dd eax..

i r

i r eax..

逆アセンブル結果 (Disassemble ウィンドウをみる) disas (関数名)
ソースコード (ウィンドウを見る) list (関数名)

 

・・とりあえず、良く忘れるので(

 

あといくつかメモ:

 

gcc でビルド時にデバッグ情報を入れる:
→ gcc –g でビルドしてやる

objdump で Intel 記法で眺められるようにする:
→ objdump –M intel  で眺める。
ex)  objdump –M intel –D a.out   .. のように。

VC コンパイラでデバッグ情報を入れる:
→ cl /Zi でビルドする。

VC コンパイラ環境で objdump っぽいことをする:
→ dumpbin a.exe /disasm  とかやると良い感じ。

RtlUnicodeString.. 系の一部のAPI は 32767 文字以上を設定できないみたいです。

どうも、みむらです。

ちょっとカーネルモードドライバを書いていまして、
RtlUnicodeStringPrintf 関数で文字列を設定する時に、
変数のサイズを 32767 文字以上に設定すると
STATUS_INVALID_PARAMETER になって動かないことがありました。

まさかと思って 32766 にすると動く。

コードとしてはこんな感じ:

UNICODE_STRING text = {0};

text.MaximumLength = 32767;
text.Buffer = ExAllocatePoolWithTag(PagedPool, text.MaximumLength, 0x3939);
text.Length = 0;

// STATUS_INVALID_PARAMETER で失敗する。
RtlUnicodeStringPrintf(&text,L"HELLO");


// STATUS_SUCCESS になって text に "HELLO" が代入される。
text.MaximumLength = 32766;
RtlUnicodeStringPrintf(&text,L"HELLO");

ExFreePoolWithTag(text.Buffer,0x3939);

でもって、同じ文字列操作系の命令でも

RtlUnicodeStringCat は動く。

 

もちろん、 UNICODE_STRING は

typedef struct _UNICODE_STRING {
  USHORT Length;
  USHORT MaximumLength;
  PWSTR  Buffer;
} UNICODE_STRING, *PUNICODE_STRING;

こんな感じで定義されてる。 ( http://msdn.microsoft.com/ja-jp/library/ff564879(v=vs.85).aspx )

 

謎い。

 

ってことで MSDN の説明を注意深く読んでみました。

・・・そうしましたら、双方の “DestinationString” の説明に差を見つけました。

 

RtlUnicodeStringPrintf:

DestinationString [out]
A pointer to a UNICODE_STRING structure that receives a formatted string. RtlUnicodeStringPrintf creates this string from the formatting string that pszFormat specifies and the function’s argument list. The maximum number of characters in the string is NTSTRSAFE_UNICODE_STRING_MAX_CCH.

RtlUnicodeStringCat:

DestinationString [in, out]
A pointer to a UNICODE_STRING structure. This structure includes a buffer that, on input, contains a destination string to which the source string will be concatenated. On output, this buffer is the destination buffer that contains the entire resultant string. The source string is added to the end of the destination string. The maximum number of bytes in the structure’s string buffer is NTSTRSAFE_UNICODE_STRING_MAX_CCH * sizeof(WCHAR).

 

・・・なんと。。。

 

でもって ntstrsafe.h に定義されている NTSTRSAFE_UNICODE_STRING_MAX_CCH を見てみますと、

#define NTSTRSAFE_UNICODE_STRING_MAX_CCH    (0xffff / sizeof(wchar_t)) 

こんな感じで書いてあるんですね。

 

何で双方に違いがあるのかはよく分かりませんが・・。

でも、0xffff 文字書き込めるものと 0x7fff までしか書き込めないものとがある、

ということで。。

もし文字列操作系で、バッファサイズは足りているのに格納できない場合

NTSTRSAFE_UNICODE_STRING_MAX_CCH をオーバーしていないか確認してみると良いかもしれません。

ExQueueWorkItem を使って PASSIVE_LEVEL で呼び出せる命令を他の IRQL から実行させる。

どうもみむらです。

 

最近とある用があってカーネルモードドライバを書くことが出てきました。
なんだかんだ、Linux 用のドライバも Windows 用のドライバも慣れると楽しいですね。

(ブルースクリーンに行かないように考えながらコードを書くのが良い感じに脳みその体操になってとっても楽しいです。 気を抜くとすぐにブルースクリーンになりますし。)

 

さてさて。

Windows なカーネルモードドライバを書いている上でなかなかに問題になることの一つに
IRQL の話があると思います。

詳しくはこちらのウェブサイトに詳しくまとめられていますのでそちらにお任せするとして。
http://d241445.hosting-sv.jp/community/report/report11.html

要は各割り込みに優先度を付けて、すぐに行わなければならないやつをすぐに行えるようにする・・と
おおざっぱですがそのような感じです。

 

また各 IRQL によって実行可能な API が限られており、
もしそれを無視して実行すると

image

こんな感じで、 “IRQL_NOT_LESS_OR_EQUAL” な BSoD が発生します。
(ちなみにこれは KeBugCheckEx に 0xA と適当(?)な数字を設定して呼び出しました。)

 

各種コールバックでは DISPATCH_LEVEL でやってくるケースもあり、
PASSIVE_LEVEL でのみ呼び出せる関数をどうやって呼び出すか。


今回の一件は、
フィルタを挟み込んでデータをファイルに書き出すというようなドライバを書いていて、
どこかのタイミングで書き出せればいいと考えて、

ExQueueWorkItem を DelayedWorkQueue で呼び出して、
呼び出し先にファイル書き込みを書く・・という方法で対処しました。

 

コードとしてはこんな感じ

#include <Ntifs.h>
#include <ntddk.h>
#include <Ntstrsafe.h>

#define STR_LENGTH 0x1000

typedef struct _DATA
{
	LARGE_INTEGER time;
	wchar_t str[STR_LENGTH];
} DATA, *PDATA;

void _PassiveWrite(PDATA);

/* 外部から呼び出される関数。ここは IRQL <= DISPATCH_LEVEL であれば実行可能 */
void Write(PDATA d)
{
	WORK_QUEUE_ITEM workitem;
	PDATA data;

	/* 非ページプール上に領域を確保する */
	data = (PDATA)ExAllocatePoolWithTag(NonPagedPool, sizeof(DATA), 0x0616);
	if(data == NULL)
		return;

	/* データを準備する。 */
	ExInitalizeWorkItem(&workitem,_PassiveWrite,data);
	memcpy_s(data,sizeof(DATA),d,sizeof(DATA));

	/* Queue に登録する */
	ExQueueWorkItem(&workitem, DelayedWorkQueue);
}

/*
ExQueueWorkItem によって登録され、実行可能になった時に呼び出される。 
ここの IRQL は PASSIVE_LEVEL になる
*/
void _PassiveWrite(PDATA data)
{
	HANDLE handle;
	NTSTATUS status;
	UNICODE_STRING str;
	IO_STATUS_BLOCK statusblock = {0};

	/* ファイルオープン */
	{
		UNICODE_STRING path;
		OBJECT_ATTRIBUTES attr = {0};

		RtlInitUnicodeString(&path, L"\\??\\C:\\Logs\\nonohara.log");
		InitializeObjectAttributes(&attr,&path,
			OBJ_CASE_INSENSITIVE | 
			OBJ_KERNEL_HANDLE |
			OBJ_FORCE_ACCESS_CHECK,
			NULL, NULL);

		status = ZwCreateFile(
			&handle,FILE_APPEND_DATA,
			&attr,&statusblock,NULL,
			FILE_ATTRIBUTE_NORMAL,
			0,FILE_OPEN_IF,
			FILE_SYNCHRONOUS_IO_NONALERT,
			NULL,0
		);
		
	}

	if(!NT_SUCCESS(status))
	{
		ExFreePoolWithTag(data,0x0616);
		return;
	}

	/* 書き込む文字列を作る */
	str.Buffer = ExAllocatePoolWithTag(NonPagedPool,STR_LENGTH*2,0x1133);
	str.MaximumLength = STR_LENGTH*2;
	str.Length = 0;

	RtlUnicodeStringPrintf(&str,L"%I64u,%s\r\n",
		data->time,
		data->str
	);

	/* 書き込む */
	ZwWriteFile(handle, NULL, NULL, NULL, 
		&statusblock, str.Buffer, str.Length, NULL, NULL);

	/* バッファーをクリアする */
	ZwFlushBuffersFile(handle,&statusblock);
	ZwClose(handle);

	/* メモリを解放する */
	ExFreePoolWithTag(str.Buffer, 0x1133);
	ExFreePoolWithTag(data, 0x0616);
}

 

たとえばこれを応用して、

ドライバを開始したタイミングでファイルを開いてハンドルを握っておき

(その間、共有状態で CreateFile をしていないので他からのアクセスがロックされる。)

ドライバが停止するタイミングでバッファをフラッシュしてクローズする・・とか。

(その間バッファリングが効くので、たぶん良い感じになる・・はず)

 

後は何か、特定の動作があった場合に何かを呼び出すとかそういうのが書けます。

 

・・・とりあえず、個人的なメモ。

誰かドライバを書いていてこの記事で解決することがあれば・・。